亡父の実家が岩手県ということもあって、小さい頃から数々の餅料理を食べてきた。おかげで今でも餅を良く食べる。元来はハレの日に食べる習慣だったようだが、小弟は春夏秋冬、フツーに餅料理を食べる。焼いた餅にバターを軽く塗り、しょうゆをつけただけのもの、海苔を巻いた磯辺焼きから、大根おろし、あんこ、ずんだ(すりつぶした枝豆)、くるみ(すった胡桃)、ごま(すった黒ゴマ)、じゅうね(エゴマの実)、納豆、しょうが(すった根ショウガ)、雑煮まで、実に多くの種類がある。
すべて好きだが、なかでもバターしょうゆ、磯辺焼き、大根おろし、しょうが、雑煮、そして納豆がお気に入りだ。多くの人が「信じられない」と騒ぐが、この餅料理を肴に日本酒を常温で飲むと、「おおっ、やっぱり日本人。東北人」ということになる。
焼いた餅を熱湯に浸し、軟らかくしてからだし汁としょうゆでといた納豆をからませる。フツーの大根でかまわないが小弟は辛味大根をおろしたものにしょうゆを加えたものをからめる。おろし大根とおろししょうがにしょうゆを加えたものをからめる。雑煮だけはなぜか東北風ではなく、東京風にする。
これだけで日本酒3合は十分いける。餅も日本酒も原料はコメなので、「コメづくし」料理の薬味が大根、納豆、しょうがという見方もできる。身体に良いか悪いかは一切考えていない。母も岩手県人なので、小弟も生まれは東京だがネイティブ・イワテ。DNAがこの組み合わせを欲しているのだと信じ込んでいる。
先にチラッと触れたが、バターしょうゆもうまいが磯辺焼に少量のバターで風味をつけるのも悪くない。コメ+しょうゆ+バターという組み合わせは万能かもしれない。卵かけごはんにも少量のバターを溶かすと風味が上がるし、しょうゆベースのソースをかけたステーキにも合う…。