ワラ苞と竪穴式住居から生まれた「納豆」

 中国大陸から稲の栽培法が伝来した後期縄文時代には、すでに納豆のような食べ物が存在したと云われているほど、納豆には古い歴史があります。古代から大豆の効能は認められていましたし、納豆にするとその効用が倍増することも知られていたようです。
 納豆の作り方を要約すると、「茹でた大豆に納豆菌(液)をまぶし、適当な容器に移して40℃程度でほぼ1日発酵させ、半日~1日冷蔵して寝かせる」となるでしょう。納豆菌は学名を「バチルス・ナットウ」といい、枯草菌の一種です。縄文時代には稲ワラを束ねた「苞(つと)」を容器として使っていました。ワラ1本には約1,000万個の納豆菌が付着しています。煮豆と「苞」の出会いと、発酵室の役割も担った竪穴式住居が納豆という素晴らしい食品を誕生させたのです。
 納豆には、活性酸素に対する防御能力の活性化をはじめとした生活習慣病の予防、老化防止、記憶力の向上など、様々なパワーがあります。大豆は古代から「薬」のように重宝されていましたが、納豆にすることでその効用が飛躍的に増進したのです。
 納豆は、丸大豆納豆、挽き割り納豆、五斗納豆の3つに分けられます。丸大豆納豆はその名の通り、大豆を丸ごと煮てつくります。挽き割り納豆は大豆を炒って荒く挽き、表皮を取り除いてから煮ます。五斗納豆は山形県米沢地方特有で、挽き割り納豆に麹や塩を混ぜて樽で熟成させたものです。(参考URL:全国納豆協同組合連合会 http://www.natto.or.jp/index.php )