味覚・形状とも多種多様な「チョコレート」

 ココア同様、原料はカカオのチョコレート。近年はポリフェノール効果が注目され、ハイカカオ・機能性のチョコが市場をけん引しています。小売りベースの市場規模は2015年に5,000億円を超えましたが、その一方で、年間消費の1/4近くがバレンタインデーシーズンに集中するという特殊な側面ももっています。
 チョコレートとココアが兄弟関係にあること、その歴史、違い、製法については「ココア」の項で説明しました。日本にチョコレートを持ち込んだのはオランダ人。江戸時代の長崎だったようです。日本人がチョコレート製造を始めたのは1899年。森永太一郎氏が東京の赤坂溜池に会社を設立し、原料チョコレートを輸入してクリームチョコレートの製造・販売を開始しました。昭和になると多くのチョコレート製品が登場、大衆化とともに消費は広がりました。原料の輸入関税が撤廃され(1929年)、製品価格が下げられたことも需要拡大を速めました。
 チョコレートにはミルクが入らないビターチョコ、ミルク入りのミルクチョコ、ココアバターにミルク、砂糖などを加えたホワイトチョコ、チョコレート生地に生クリームや洋酒などの含水可食物を練り込んだ生チョコなど原料・製法によって様々なタイプがあります。また、一般的な板チョコをはじめ、チョコレートを型に流し込み、殻をつくり、この中にクリーム、ジャム、ナッツ類、フルーツ類などを入れ、さらにチョコレートでフタをしたシェルチョコ、ビスケットやウェハースなどの一部または全体を覆ったエンローバーチョコ、回転している釜の中で、芯になるもの(ナッツ類、キャンデー類など)にチョコレート生地をかけて粒状にしたパンワークチョコなど、様々な種類があります。(参考URL:日本チョコレート・ココア協会 http://www.chocolate-cocoa.com/index.html )