小麦を挽いてつくられる小麦粉。原料の小麦と同様に、小麦粉にもパン、めん、ケーキ、クッキーなど用途に適した様々なタイプがあります。また、その応用範囲は非常に広く、多くの地域で、多岐にわたった嗜好に合った食べ方を可能にしています。
原料小麦には、たんぱく質の含有量の高い順に硬質、中間質、軟質の3種類があります。たんぱく質の大部分を占めているのが弾力に富むが伸びにくい性質のグリアジンと、弾力は弱いが粘着力が強くて伸びやすい性質のグルテニンです。小麦粉に水を加えて捏ねると、このグリアジンとグルテニンが絡み合って両方の性質(粘着性と弾性)を適度に兼ね備えたグルテンになります。小麦を粉砕、小麦粉として利用するのは、このグルテンを形成しやすくするためです。
小麦粉には、硬質小麦を挽いてつくった強力小麦粉、準強力小麦粉、デュラム・セモリナ粉、中間質小麦からつくった中力小麦粉、軟質小麦からつくった薄力小麦粉があります。強力小麦粉や準強力小麦粉は主にパン類や中華めん、餃子の皮などに、中力小麦粉は日本めんなどに、薄力小麦粉はビスケット、クッキー、ケーキ、家庭用小袋などに使用されますが、強力小麦粉と準強力小麦粉は単体、ミックス双方で利用されています。また、お好み焼きやもんじゃ、天ぷらなどは薄力小麦粉でつくります。
小麦粉はコメと並ぶ日本人の主食ですが、貿易率が約8割で、主な輸入国はアメリカが断トツ、残りをカナダ、オーストラリアで二分しています。なお、小麦の輸入は政府が全量を輸入業者から買い入れ、それを日本国内の製粉会社に売り渡すしくみがとられています。(参考URL:製粉振興会 https://www.seifun.or.jp/index.htm )