料理に使う芳香性・刺激性をもった植物の香辛料。味を整えたり、香りづけ、素材の匂い消し、色づけに欠かせません。防腐、抗菌作用をもったものもあります。また、食欲増進や新陳代謝の促進など、いわば「薬膳」的な役割も持ち合わせています。
香辛料とひと言で括っても、その分類と種類は実に多岐にわたっていますが、熱帯植物の種子、花、葉、樹皮など、いろいろな部分が利用され、ヨーロッパなど多くの地域で古くから珍重されてきました。日本では中国大陸の文化とともに渡来した香辛料が多く、明治維新後、西洋文化とともに西洋の香辛料が次々と入って来ました。一般家庭への普及は第2次世界大戦以降です。その種類は100以上と言われ、食欲増進、疲労回復、消化吸収促進、強壮など、健康維持にも非常に役立っています。
日本で流通している香辛料の栽培地域は、熱帯~亜熱帯地域、亜熱帯~温帯地域、温帯地域の3つに大別されます。コショウ、クローブ、ナツメグ、カルダモンなどは熱帯~亜熱帯、とうがらし、ターメリック、ジンジャーなどは亜熱帯~温帯、クミン、コリアンダーなど多くのシード(種子)スパイスやハーブは温帯で栽培されています。全日本スパイス協会では、香辛料のうち、利用部位として茎と葉と花を除くものを「スパイス」、茎と葉と花を利用するものを「ハーブ」と定義しています。スパイスには、ニンニク、ショウガ、ごまの種子、唐辛子、西洋ワサビ、マスタードなど多くの種類がありますが、ハーブも、クレソン、コリアンダーリーフ(香菜)、紫蘇、ニラ、ミョウガ、バジル、レモングラスなど多種多彩です。(参考URL:全日本スパイス協会 http://www.ansa-spice.com/index.html )