そば、そうめんなどに欠かせないめんつゆ類。みりんや日本酒を加熱してアルコール分を飛ばしたものに砂糖としょうゆを加え、再度加熱したものを出汁で割ってつくりますが、市販品は安定した味と用途の広さから、幅広い料理に利用されています。
めんつゆ類の消費は順調に拡大しています。その背景にあるのが汎用用途の拡大です。そば、うどん、そうめん、冷や麦など麺類のつゆとしてだけでなく、煮物など、しょうゆと出汁(だし)が決め手となる幅広い料理の調味料として家庭で拡大しました。また簡単で均一な味付けができることから、チェーン料飲店での需要も拡大しています。
市販のめんつゆ類は、高濃度タイプ、2倍濃縮タイプ、ストレートタイプ、缶入りなどに大別されますが、さらに昆布や鰹、しいたけ、いりこなど、出汁の種類や、使用するしょうゆのタイプによって細分化されます。
主な原材料は、しょうゆ、風味原料(鰹節、しいたけ、昆布など)、砂糖などの糖類、食塩、醸造酢、調味料などです。
麺のつゆとしてはもちろん、野菜や肉の煮物、魚の煮つけ・照り焼き、だし巻き卵、お浸し、茶碗蒸し、炊き込みご飯など、実に多くの料理に活用できます。ある意味、和食においては、「現代の万能調味料」とも言えるでしょう。
なお、近年のめんつゆ類販売数量の内訳は、高濃縮タイプが全体の約60%、2倍濃縮タイプとストレートタイプ(びん)が約40%でした。