それぞれの良さがある「焼酎」

 焼酎には単式蒸留(本格焼酎=焼酎乙類)と連続式蒸留(焼酎甲類)、そして双方を合わせた甲乙混和の3種類があります。本格焼酎は単式蒸留機で蒸留したアルコール度数が45度以下のもの。蒸留機の構造が単純なため、原料の香味成分が溶け込みやすく、特有の芳香と風味があります。500年以上の歴史をもち、伝統の製法を受け継いで造られてきました。澱粉質原料(米、麦、いも類)や糖質原料(黒糖、なつめやし)を発酵させた後に蒸留したもので、その違いによって麦焼酎、いも焼酎、米焼酎、そば焼酎(以上、本格焼酎4大カテゴリー)、黒糖焼酎などと呼ばれます。その中で主にタイ米に黒麹を加えてつくる琉球諸島特産の焼酎は「泡盛」と呼ばれます。
 他方、焼酎甲類は何度も蒸留を繰り返すことと同じ原理の連続式蒸留機で蒸留したアルコール度数が36度未満のもので、無色透明でピュアなクセのない味わいが特長です。また、素材の味を活かした乙類焼酎と、ピュアな味わいに仕上げた甲類焼酎をブレンドすることで、本格焼酎のクセを抑え、甲類焼酎の物足りなさを補った甲乙混和は、そのマイルドな味わいが人気です。
 ひと昔前までは、本格焼酎はストレート・お湯割り・水割りで飲まれることがスタンダードでしたが、近年は炭酸水(ソーダ)割りの人気が高まっています。一方の甲類焼酎は、今話題のレモン・サワーや、チューハイ、お茶類割りなどのベースとして使われるのが基本です。なお、本格焼酎はメーカーの多くが九州・沖縄地方に集中しています。(参考URL:日本酒造組合中央会 https://www.japansake.or.jp/ 日本蒸留酒酒造組合 https://www.shochu.or.jp/index.html)