調味料としての用途も多い食用油脂は、植物油、魚・鯨油、豚の脂肪・ラード、牛の脂肪・ヘットなどの動物油、マーガリンに代表される食用加工油脂などを指しますが、ここでは植物体に含まれる油分をそのまま抽出した植物油について取り上げます。
日本は原料のほとんどを海外に依存しながらも、世界で有力な植物油生産国です。油糧種子を購入して油を抽出する(大豆、菜種、ごまなど)、副産物を活用して油を抽出する(米ぬか、トウモロコシ胚芽)、海外から油を輸入する(パーム油、オリーブ油、ひまわり油など)の3つです。近年の植物油の総供給量は菜種油が最も多く、次いでパーム油、大豆油、とうもろこし油、国産原料を主とするこめ油は5番目でした。また大豆の場合、大豆油1に対して4の油粕(ミール)が副産物として産出されますが、家畜飼料や加工食品の原料として無駄なく活用されています。
日本農林規格(JAS)に基づいて品質基準と名称が定められていますが、品質規格は精製度よって、原料の持ち味を生かした半精製油(ごま油、オリーブ油など)、精製油(白絞油=しらしめゆ、天ぷら油など)、高精製のサラダ油の3つに区分されています。さらに原料が複数の場合は調合油の名称が使われます。
脂質は糖質、たんぱく質と並ぶ重要なエネルギー源。植物油はその優秀な供給源です。確かに摂りすぎには問題もありますが、健康維持には欠かせない不飽和脂肪酸や抗酸化作用が認められているビタミンEが豊富に含まれる植物油を賢く摂取することが大切です。(参考URL:日本植物油協会 https://www.oil.or.jp/index.html)