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日刊食品通信
2017年11月20日

水産原料高騰、主要各社値上げに動く


サンマ・カニ・ホタテ缶、サケ瓶など

 水産原料の高騰が続くなか、主要各社は値上げに動いている。ここ数年、水産原料は不漁による価格上昇が続いている。特に、今年のサンマは50年ぶりの不漁。10月末時点で、40年ぶりの大不漁といわれた昨16年の半分程度まで漁獲が落ち込んだ。これに伴ない、缶詰用原料価格は昨年の約2倍(200円/㎏前後)まで上昇。同様に、紅ズワイガニは昨年の50〜70%の漁獲量に沈み、原料価格は1.5〜2倍に跳ね上がった。ホタテも高い。青森県陸奥湾産は4月の水揚げ開始当初の生育不良が響いたほか、北海道産は台風の影響で大減産となった。秋鮭は24年ぶりの不漁で、ホタテ、サケとも原料価格は1.5倍レベルまで上昇している。

 このうち、ベニは主体の韓国産が高騰。禁漁開けの9月は水揚量が前年比4割減、さらに人件費アップや韓国内での需要増から価格は高騰したまま。このため缶詰加工用の玉確保は厳しさを増しており、主要各社ではオファー全量を手当てできるか先行き不透明な状況が続いている。また、秋鮭の不漁を受け、各社ともアラスカ、ロシア、カナダなど海外産の手当てを強化しているが、ロシアは強気の価格を提示するなど調達は困難を極めている。

 

 各社はこれまで、生産効率を高めるなどコストアップ分をどうにか吸収してきたが、今シーズンは採算割れに直面し、ついに値上げに踏み切った。主要ブランドではホタテ缶(11月)、サンマ缶(12月)、紅ズワイガニ缶、サケ瓶(1月)など多品目で価格改定を進める方針。各社とも品質維持のため顧客サイドに理解を求めている。

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