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日刊食品通信
2017年8月22日

環境が一変、苦戦強いられるアイス市場


8月実績は第3週終え2ケタ減

 7月に売上高が前年を7%上回り、4月からの累計でも5%増と好調だったアイスクリーム市場だが、「梅雨明け宣言後の長雨」で試練の夏となっている。

 6月以降、空梅雨気味に推移した天候は7月に入っても継続し、中旬にかけて全国各地で猛暑となった。7月第2週には「スーパー猛暑」を見込んだ卸の発注が集中し、一部商品の出荷調整も行われた。

 しかし、東京・大阪で例年より2日早い7月19日に梅雨明けが宣言されたが、下旬は梅雨に戻ったかのような天候に一変。8月としては40年ぶりとなる20日連続の雨を記録した。このためアイスクリームメーカーの8月実績(18日現在)は、前年を11%前後下回って推移している(本紙調)。一般に最高気温が22〜23度を超えるアイスクリームが、30度を超えると氷菓の売り上げが伸長するため、特に氷菓メーカーは厳しい。

 一方、昨年の8月実績が西日本と東北・北海道の猛暑を受け12%増とベースが高かったこともあり、「思ったより傷は浅い」との声もある。記録的な長雨が全国的に続く中で、売り上げが11%減でとどまっている背景には、アイスクリームの通年商材への取り組みがある。

 昨今のアイスクリーム市場好調の要因は「冬アイス」の定着だ。非需要期だった冬場の需要が拡大したことで、アイスクリームが通年商材となり、それとともにスイーツとして認知が広がっている。全国各地で「記録的な長雨」に見舞われる中、夏物商材はいずれも苦戦は免れない。その中で、アイスクリームが他の夏物商材に対しどのような実績を残せるかは、通年商材化を歩むアイスクリームの得がたい検証機会でもあるのだろう。

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