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2016年12月1日
イカ缶原料高騰、主要各社値上げへ
世界的な大不漁で業界悲鳴
イカ缶詰原料の高騰を受け、主要ブランドは値上げに動いている。特に水産大手各社は、12月1日出荷分からの価格改定に向け顧客へ理解を求めてきた。上げ幅は缶型により異なるが、小売価格で2〜3割程度アップする見込み。
イカは今年、ペルーやアルゼンチンなど南米の松イカをはじめ、世界的な大不漁に見舞われ、生鮮向けのほか、珍味をはじめとする加工用原料がひっ迫。業界各社から悲鳴があがっている。日本国内も同様で、北海道産マイカは一時、㎏当たり800円台と、例年の3〜4倍まで急騰するなど、各社お手上げ状態。漁業情報サービスセンターによれば、10月の生スルメ水揚量は4,140t(前年同月比32%)と7割減、㎏平均価格は719円(同211%)。1〜10月累計でみても3万841t(58%)と4割減、価格は465円(175%)と暴騰している。一方、今回の値上げ幅は原料の上昇幅に比べ極めて限定的。イカ缶詰は、CVSや量販店を中心に、つまみや惣菜など需要は底堅い。供給サイドでは、今後も玉確保は厳しそうで、「安定供給できるか不透明」との見方があるほど深刻な状況にある。
なお、本紙調べのイカ缶詰の販売集中度(2014年度・実箱換算)は、日本水産8.6万箱(シェア41.0%)で首位、次いでマルハニチロ3.6万箱(同17.1%)、田原缶詰2.7万箱(12.9%)、極洋2.1万箱(10.0%)、宝幸1.2万箱(5.7%)と続いている。
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