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2025年4月1日
ノリ漁、今期も不作で業界悲鳴
空前の高値で値上げ必至の情勢
終盤を迎えているノリ漁は、今期も不作に見舞われた。主産地の九州有明地区では、海水温の上昇や降雨不足から漁期が進むにつれて栄養塩が低下したことで、高品位の海苔が少なく、通常であれば札のつかない色落ちした下物の価格が上昇するなど異例の展開で、業界は悲鳴を上げている。
大手メーカーで仕入一筋40年のベテランも「これほどの不作はこれまでなかった」とお手上げ状態。通常であれば札のつかない3円未満の色落ちの下物でも10~15円、中級グレードも相場は前年比10円高の30円を超える高値圏を形成。上級グレードも最高値を大幅に突き抜けている。これに伴い、海苔業界は3年連続で値上げ必至の情勢となった。
海苔速報によれば、3月16日現在の出荷量は43億3,800万枚(前年同期比3億2,300万枚増)、総金額1,171億1,300万円(同297億900万円増)、平均単価27円(同5円23銭高)と空前の高値。ちなみに過去10年の海苔1枚当たりの平均単価をみると、2014年度10.48円、15年度11.51円、16年度13.07円、17年度11.88円、18年度13.04円、19年度13.40円、20年度10.48円、21年11.75円、22年17.24円、23年21.14円。今シーズンの相場は10年前と比べて2.6倍上昇。高騰ぶりが際立っている。
極度の不作により、輸入海苔の比率は年々高まり、2021年の14.3%から23年は24.2%に達した。特に韓国産原料の平均単価は21年の1枚当たり6.22円から23年は17.19円に高騰した。これにより、中国産原料の注目が高まっている。
▼以下略
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