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2024年9月24日
パイン缶詰市場、タイの減産で供給タイト
パインアップル缶詰市場は、主産地タイの大幅減産で供給タイトが続いている。
タイはエルニーニョ現象の影響により2023年1月以降高温・少雨傾向となり、パイン原料への影響として、小玉化による収量低下、原料価格の高騰が起きている。23年夏実製造頃から影響が出始め、24年夏実シーズンも干ばつによる影響が残った。これにより、23年度の原料処理量は68万tまで減少(前年120万t)。24年度の見込みは75万t、原料価格は直近13バーツ/kgを超え、過去最高値に近い水準となった。工場によっては原料の供給不足により、例年より早い6月にシャットダウン(工場閉鎖)した。原料供給状況は過去10年で最低レベルまで落ち込んでおり、シャットダウン直前の製造は週3回程度の状況であった。25年も回復の見込みは立っておらず、供給はタイトで高値が継続する見込み。
同様に、フィリピン産もエルニーニョ現象の影響により原料状況が悪化し、収穫量が低下したことにより原料価格も上昇。タイ国が大幅減少のため、引き合いが強まっていることから製品入荷の遅延が続いている。
インドネシア産もタイ産と同じくエルニーニョ現象の影響により原料状況が悪化。収穫量が低下したことにより原料価格も上昇し、船積遅れが発生している。サプライヤーの原料状況は23年の68万t前後から一貫して減少しており、24年は60万t前後が見込まれている。25年は状況の改善が予測されているが、急激な回復は見込まれない。
沖縄産は、昨年よりも収穫量は増加する見込みで、例年通り12月上旬まで製造の予定。(関連記事を姉妹誌・酒類食品統計月報10月号に掲載)
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