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2024年9月4日
缶詰市場、全般的に原料難続く
缶詰市場は原料難が続いている。サバやサンマなど青物缶を中心に水産物の不漁が長期化しているほか、パインアップルなど輸入フルーツ、ミカン、チェリーなど国産果実も軒並み減産をみている。温暖化による海水温の上昇、干ばつ、台風、豪雨などが激甚化するなか、世界的な食糧需要の高まりで玉確保はままならない。原材料価格の上昇、これに動燃料費・包装資材費・物流費アップに加え、急激な為替変動が続く厳しい環境下、各社では生産コストを抑えるべく取り組んできたが、企業努力だけではコスト上昇分を吸収することが極めて困難な状況となっている。
タラバは、禁漁明けの2023年アラスカ産はkg1万1,000円と高値圏。漁獲が少なかったことに加えて、米国内での消費が旺盛で引き合いが強い。ロシア産は中国向けの輸出が増えている。中国のロシア産活魚の高値買いの影響で加工向け原料は少ない。紅ズワイは、国内産は1割高。韓国産は前年並み。輸入量は回復傾向にあるが、円安の影響が大きい。
ホタテは、昨年8月の福島第1原発処理水の海中放水を受け、中国向け輸出がストップしているが、米国や東南アジア向けが増加していることから加工用原料の手当が厳しくなっている。陸奥湾産は5月下旬に実施された3回目の入札で最高値を更新。稚貝の斃死で不漁が長期化している。オホーツク産は漁獲は35万t(今期32万t計画)と漁獲はあるものの、生食(冷凍)向けであることから加工用としては使えない。陸奥湾産の養殖スタイルが海に吊るす垂下式であるのに対し、噴火湾産は地撒き式のため、砂をかんでしまうため加工用には不向きとなる。
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