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2016年9月5日
パイン缶、最大産地タイ減産で供給タイト
冬実はスロースタート10月下旬の見込み
パインアップル缶詰市場は、最大産地タイの減産で供給タイトが続いている。原料価格も過去最高値を記録するなど暴騰している。さらにエルニーニョの影響で冬実の生産は大幅に遅れ、スタートは10月下旬が見込まれている。
有力ブランドによれば、最大産地タイの2016年夏実は減産した。作付面積の減少(5年間で3割減)とエルニーニョによる高温・降雨不足で育成状況が悪化。小玉傾向でチョイス比率が低下した。これに伴ない、タイパッカーの原料処理量は大幅に減少。3月は日産7,000tと必要量の8割程度にとどまった。さらに4月は月初7,000t、中旬5,000t、月末3,500tまで落ち込んだ。5月は月初5,000t、中旬3,000t台、月末5,500t。回復が予想されていた6月も4,400t〜5,500tと低調に推移した。
これに伴ない、原料価格は高値で推移。3〜4月は10バーツ(B)と安値時の約3倍、5月は原料不足を受け13バーツ以上、さらに6月も各社契約遅れから原料の買い付け競争となり、13〜14B以上と昨年10月の過去最高値(15B)に迫る水準であった。今夏は契約残対応のため、通常より1〜2週間遅いシャットダウンとなった。
今後の冬実に関しては、4月から続く南部降雨不足により、降雨時に実施する強制開花剤噴霧作業の遅れで、東部・南部ともスタートは10月下旬になる見通し。原料価格も高値横ばいが見込まれる。また、米国市場向け需要も堅調であることから、冬実の再開後も当分の間は夏実契約残の生産が続くと予想される。
▼以下略
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