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2016年8月3日
スルメイカ、不漁で原料価格高騰
缶詰主要ブランドは値上げ検討へ
イカの原料価格が高騰している。漁業情報サービスセンターによれば、生スルメの上期(1〜6月)の水揚量は7,653トン(前年同期比70%)と3割減。大不漁に伴い、㎏平均魚価は381円(同127%)に上昇した。スルメはここ2〜3年、不漁で価格が上昇しており、TAC漁獲枠を消化できない状況が続いている。イカは今年、世界的に不漁に見舞われ、昨年まで100万t規模を誇ったアルゼンチンのマツイカも漁獲が急減しているという。こうしたことからイカの原料価格は高値に張り付き、主要ブランドによれば、缶詰加工用原料価格は㎏当たり350円と、平年の1.5倍に暴騰している。7月下旬から八戸沖など、まき網漁が本格化しているが、イカは1年魚のため急激な水揚げ回復は見込めない。水産研究・教育機構がこのほど発表した、スルメイカの長期漁況予報でも太平洋・日本海とも前年を下回る見込み。原料在庫もひっ迫していることから、イカ缶詰の主要ブランド各社は、製品価格の値上げを検討せざるを得ない状況にある。
なお、イカ缶詰の生産は、本紙調べで1997年に60万箱台を記録したが、その後はずっと40〜50万箱台の状態が続き、2001年以降ほぼ30万箱台で推移。12年以降は20万箱台まで減少した。直近では、13年24万箱(11億円)、14年24万箱(11億円)、15年20万箱(10億円)とダウントレンドも、今年はつまみや惣菜需要が高まっており、販売は堅調に推移している。
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