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2016年4月25日
なめ茸市場、今春から値上げに本腰
原料高・有力ブランド廃業が影響
なめ茸市場は今春、値上げに本腰を入れている。生産農家の減少など、ここ数年、主原料のエノキ茸の原料価格が高騰しているなか、昨秋の有力ブランドの廃業が追い討ちをかけた。長野県を主産地とするエノキ茸は、燃料費や原料培地などのコスト高を受け、生産者が年々減少している。また、栽培農家では鍋物需要が高まる秋冬に生産を集中し、オフシーズンの夏場は抑える傾向が強まっていることから、加工向け原料価格は年々上昇傾向にある。さらに、2015年9月、中国産原料主体の有力ブランド「コマツ」の小松食品が破産。固形分60%、120gビンを主力に市場シェア2割(本紙推定)を占める同社製品の供給がストップしたことで市場は混乱。国産原料主体の最大手丸善食品工業(ブランド名=テーブルランド)や長野興農(同=ふるさと)など有力メーカーに振り替え要請が殺到した。
供給責任を問われるメーカー各社は急きょ、原料確保に動いたが、突然の事態に四苦八苦。しかも、鍋物需要本番を迎えるタイミングだったことから、通常より高値(3〜5割高)の原料手当てを余儀なくされたうえ、限られた生産能力のなか、過剰オーダーに追われた。
一般的になめ茸メーカーは、鍋物需要が一段落する春以降、本格的な原料手当てに入り一次処理をした後、年間生産できる態勢をとっている。このため、青果市況の高値が工場の生産コストをストレートに直撃するケースは少ない。
▼以下略
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