日刊食品通信 記事詳細

バック
ナンバーへ
日刊食品通信
2019年9月6日

タイ産パイン缶、熱波で大幅減産


史上最低見通しで原料価格高騰

  パインアップル缶詰市場は、最大供給国タイ産の夏実原料が大幅減産した。エルニーニョの発生により熱波状態が続き降雨がなかったことから、夏実の原料供給は大幅にダウンした。これにより、19年の年間処理量は120万tにも満たない可能性が高く、史上最低の数値まで落ち込む見通し。これに伴い、原料価格は高騰している。

 有力ブランド筋によれば、タイの月間原料処理量は、3月初めから5,000tでスタートし、その後4月に入り4,000tと低水準で推移した。5月に入ると状況はさらに悪化し3,000tを割ったが、6月に入り5,000tと若干回復したものの、その後はシャットダウン(7月上中旬)まで処理量は伸びなかった。

 こうした状況下、原料価格は高騰している。夏実取引は5バーツ(B)越えの高値でスタート。5月に入ると8B後半まで暴騰し、シャットダウンまで高値圏で推移した。歩留まりも悪化している。19年の年初までの約1年間の歩留まりは50%強の高水準を維持したが、以降は25%まで悪化したことで、日本向けチョイス製品の製造供給に大きくダメージを与えることとなった。

 夏実の生産状況により、冬実のスタートは10月頃まで遅れそうな見通しとなっている。今年5月までの降雨がほとんどなかったことから、強制開花が出来ていないとみられるためだ。こうしたことから収穫の本格化は11月まで遅れそうな見通し。価格に関しては大幅な生産状況の改善が見られない限り、今シーズン夏実の終盤と同レベルの7.5B付近で推移するものと見られている。

サービスのお申し込みにつきましては、お電話またはフォームよりお願い致します

  • お申し込みにつきましては、弊社が受信確認後、お客様にご確認事項を通知してから、書籍とご請求書を郵送致します。
  • 電子版、紙版どちらも下記よりお申し込みになれます。
ホームページからのお申し込みフォーム

電話からの
お申し込みはこちら

バックナンバーへ

媒体紹介へ