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2016年1月2日
マーケットインの戦略で反転回復へ
成長分野は体力差が浮き彫りに
15年10月までの清酒課税移出は前年同期比で約1.5%の減少。通年でも反転回復は望み薄だ。11年に1%ほど増加となったほかは、再び減少傾向を続け、長期低落に歯止めがかからない。特定名称酒の話題性の高まりだけでは総需要を押し上げる勢いには欠ける。特定名称酒の割合は30%を超えるまでに伸長して、一般には清酒全体が復調傾向にあるかのようにとらえられがちだが、15年1〜10月と14年同期の造り別の構成比較(14年)では、吟醸酒11.1%(9.7%)、純米酒11.3%(10.7%)、本醸造酒8.5%(8.8%)、普通酒68.25(69.9%)となって、清酒全体の構造に大きな変化はない。吟醸酒の伸びはこれからも増加する見通しにはあるが、純米酒の伸長率が安定してきたように、吟醸酒も同じような傾向をたどるのではないかと観られる。本醸造酒は普通酒の上撰クラスと同様な飲用形態になって、販売現場では特定名称酒としての位置づけは皆無に等しい。燗酒だけでなくこれまでとは違った提案要素が必要。12〜14年には地酒ブームの再来かのように吟醸、純米酒がもてはやされて、地方蔵のなかには全量を吟醸酒に転換したところも少なくないが、伸長したところは、全国展開できる戦略をもった有力蔵だけで、多くの小規模蔵は地元需要とのバランスを欠いて、銘柄露出度の高さとは逆に経営安定度は低下。
▼以下略
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