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日刊食品通信
2015年12月15日

16年上期原料チーズ、3,500ドルでほぼ決着


割安も円安で相殺、中期的なコストアップは継続

  豪州産輸入原料チーズの16年上期(1〜6月)価格は、一般チェダーがt当たり約3,500ドルでほぼ決着した。15年下期(7〜12月)は3,700ドルで妥結しており、5.4%の値下げとなる。

 価格交渉は、生乳生産国が概ね増産基調にあるため弱含みでスタートした。中国が旺盛だった需要に一服感をみせており、ロシアの禁輸措置も継続。EUのクオーター枠撤廃が生乳生産に対し前向きな結果となったことも、弱基調の要因となった。一方、オセアニアをはじめとする生産国の酪農家向け支払い乳価は高止まりしており、これが相場を下支えする形となった。

 

 一方、国内のチーズ需要は堅調だが、競争激化の中で価格への転嫁は一部にとどまっている。今回、原料チーズ価格は下落したが、2014年12月に120円前後だった円は直近で122円半ばに下落しており、原料値下がり分の多くを相殺。今後についても早期に実現するとみられる米国の金利上昇が、引き続き円安要因となりそうだ。さらにエルニーニョ現象に伴いオセアニアの一部で旱魃が発生しており、乳製品の国際相場は底打ちする可能性が高い。また、国内乳価も生乳不足や円安に伴う飼料価格高止まりを背景に底堅く推移。メーカーにとって全体的なコストは上昇傾向が続いている。

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