カルビーは６日、朝食事業拡大に向けて清原工場（栃木県宇都宮市）のフルグラ棟の両隣に新建屋を建設し、新たに「フルグラ」専用ラインを増設すると発表した。投資額は、建屋建設とライン増設で約70億円。今回の増設で「フルグラ」の年間生産額は約350億円以上となる。建屋竣工は12月、16年４月の稼働を目指す。

　新ラインは、好調な「フルグラ」の主力商品である800ｇや、ヨーグルト市場での新たな商品展開も視野に入れる。同社は６月に「フルグラ」で“ヨーグルト”を使った新事業を展開すると発表。ヨーグルト+グラノラの“グルグラ”事業を、同社がスナックに続く第２の柱として取り組む朝食市場で新カテゴリー創出を目指すもので、フジッコ、やまぐち県酪乳、不二製油の３社と共同で専門店、新商品、食べ方提案を実施している。

　「フルグラ」は2012年に売上高63億円（前年37億円）と急拡大し、13年には95億円。14年２月に１ライン増設し、14年度は1.5倍増の143億円と初めて100億円を突破。今年６月には新たに１ライン増設し、生産ラインは合計４ラインに拡大。売上高も好調で15年度は1.5倍増の200億円を見込んでいる。

　日本スナック・シリアルフーズ協会がまとめた2014年のシリアル市場は、合計で数量５万2,747ｔ、前年比129.7%、出荷金額では427億円、125.5%と数量・金額とも３年連続で２ケタ伸長となり、金額では初めて400億円を突破した。

　そのうち、グラノーラは245億円、168%と市場全体をけん引。直近５年間では金額で５倍増となり、構成比も57.3%と50%を大きく上回った。